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統計検定準1級 勉強時間140時間で63点ギリギリ合格!勉強方法やCBT試験の難易度など

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先日、統計検定準1級を受験してきた。結果は63点で合格。合格点が60点なので本当ギリギリだった。問題数が30問ほどなので、もう1問はずしていたら不合格だったかもしれない。

勉強時間はおよそ140時間。どんな勉強をしてきたのかや受験した感想を書いていこうと思う。

勉強前の統計学の知識

証券アナリストの資格を取得しており、そこでも統計学の単元があるので統計検定2級レベルの勉強はしていた。でも取得したのがだいぶ前なので忘れていることも多く、「t検定ってどうやるんだっけ?」くらいのレベル。

勉強方法

勉強時間 0~20時間目

受験2か月前から統計検定2級の復習を始める。「毎日4時間勉強するぞ」と意気込む。

テキストとして使ったのは栗原著の「入門統計学」。数式ばかりの本だと心が折れそうだったので文章で解説してくれるこの本を選んだ。

2級の範囲は網羅しており、くわえてノンパラメトリック検定、主成分分析と因子分析、ベイズ統計学の基礎も解説されているのでとても助かった。

そのあと2級の公式問題集を解く。20時間ほど勉強したころには過去問の7割は解けるようになっていた。

勉強時間 20~50時間目

統計検定準1級の勉強を始める。

まず、2級の知識でどれくらい過去問が解けるか試すため、公式問題集の2015年の問題を解いてみた。結果3割ほど正解することができた。思った以上に正解できたなという印象。

浅はかな僕は「これなら楽に合格できそうだな。優秀賞も狙えるかも」と舐めてかかる。

しばらく休んだあと、公式テキストである実践ワークブックを読み始める。
第2章のモーメント母関数で雲行きが怪しくなり、第4章の変数変換で打ちのめされる。「あ、これ無理だ」と思い別の本を探す。

「統計学大百科事典」は準1級の範囲と合っており、各話題の概要と重要ポイントがまとめられているので読みやすかった。これで全体のイメージをつかむ。

そもそも数学の知識が不足していることに気づいてあらためて微積分と線形代数も学び直す。

勉強時間 50~90時間目

ここまで勉強しても実践ワークブックの大部分は理解できない。それでも章末問題や過去問を解きまくることにした。

何度も解くうちにパターン化された解法は覚えることができた。でも2021年の過去問はひときわ難しすぎる。ほかの受験者のブログを見るとCBT試験は2021年の問題よりは簡単という意見が多かったので一安心。

ベイズ統計の分野は個人的に興味もあったので「道具としてのベイズ統計」で学んだ。
MCMCは数式を見ただけではチンプンカンプンだったが、この本では図を交えて解説されているのでイメージしやすかった。

多変量解析の分野は「多変量解析がわかる」を使用した。とくに判別分析の解説がわかりやすかった。

勉強時間 90~120時間目

実践ワークブックもなんとなくは理解できるようになってきたので読み込んでいく。指数分布などのモーメント母関数を導出して、それから期待値や分散を求めるくらいはできるようになった。

でも数理統計が苦手だったので「ガイダンス確率統計」で学ぶことに。演習問題が豊富にあるんだが僕には難易度が高い。少ししか使わなかった。(試験後、見直してみるとちゃんと読んでいれば解けた問題もあったので後悔)

変数変換、ポアソン過程、生存時間分析、グラフィカルモデル、その他の多変量解析あたりは理解できず。もう捨てることにした。

2015~2019年の過去問は8割くらい解けるようになったがこれは解法を覚えただけなのかちゃんと理解できてるのかわからない。

勉強時間 120~140時間目

受験日もまじかに迫り、暗記モードに入る。

各確率分布の期待値、分散、母関数やAR、MAモデルの共分散、分割表の尤度比統計量、共役事前分布とその事後分布などを覚えた。計算から導けるものでも時間がかかりそうなものは暗記した。

200時間以上勉強しようと思ったものの結局140時間ほどしかできず。
合格できる自信はなく落ちたらまた受けようという気持ちだった。

受験環境

  • 僕の受験会場はパソコンスクールだった。授業しているそばで受験するので終始話し声が聞こえていた。ヘッドホンも用意されていたが耳がいたくなるのでやめた。
  • 事前にラミレート加工されたA4のメモ用紙が4枚と油性ペン、数値表と受験ガイダンスが渡される。おそらくこれはどこの会場でも似たようなものが渡されると思う。僕の場合、メモ用紙は片面3枚を使用した。
  • 腕時計を付けていったが、パソコンに残り何分と表示されるので必要なかった。
  • 見直しチェックボタンが付いており、チェックを入れるとあとで見直ししやすくなる。
  • 残り時間が0分になったら強制終了。その後、ちょっとしたアンケートに答えたら結果が表示される。どの問題が正解していたかは知ることができない。
  • 結果は印刷して持ち帰ることができる。

CBT試験の難易度

印象としては2021年レベルの問題から40%、2015~2019年レベルの問題から60%くらいを出題するイメージ。

実践ワークブックに記述があったことは思い出せるんだけど、詳細までは理解していないので答えられない問題が多かった。

論述問題のような長文の問題はない。あっさりしてる問題なんだけど難しいといった感じ。計算量もPBT試験よりは少なかった。いろいろと暗記したものの役に立ったのはほんの少しだけ。

全部解答が埋まった時点で残り3分。見直す時間はほどんどなかった。

今回のCBT試験と各年の過去問を難易度が高い順に並べるとこのくらいの印象。

  1. 2021年過去問
  2. 今回のCBT試験
  3. 2016年過去問
  4. 2017年過去問
  5. 2019年過去問
  6. 2018年過去問
  7. 2015年過去問

受験した感想

解答の出来栄えはこんな感じ。

自信を持って解答できた...10%
自信はないが答えを導き出せた...30%
答えは出ないが選択肢は絞れた...50%
まったくわからない...10%

過去問はだいたい解けるようになっていたが、それは解法パターンを覚えただけで本質的な理解ができていないことを痛感した。過去問と本質的には同じことを問うてる問題でも別の視点から問題を出されたらわからなくなる。

もう一度受験して合格できるかといわれたら自信がない。

あと、答え合わせができないためどの問題が間違っていたのか知ることができず、しばらくモヤモヤが残る。

今後、統計学の勉強は続けるけど1級を受ける予定はない。数理統計は苦手なので準1級より相当きびしい。

今回学んだことを試せるようなシミュレーションをプロバビで作っていきたい。確率分布のグラフをインタラクティブに動かしたり、ベイズ更新やMCMCの流れを視覚的に見れるものや、実践ワークブックの理解度管理シートみたいのを作ってみたい。

追記

統計学実践ワークブック理解度管理シート【統計検定準1級対応】を作成しました。
章や節の理解度と重要度を入力してワークブック全体の理解度を計算したり保存したりすることができます。

したほうが良いこと

受験することを決めたら早々に申し込みをして入金する

ある程度、理解してから申し込もうとすると後回しになりがち。僕は実践ワークブックを読み始めたときは挫折しそうになったが、すでに入金していたので後戻りはできなかった。8000円という大金を支払ったんだから無駄にしたくはない。

過去問を最初に試すときは2021年の問題を使用する

おそらく2級レベルの知識では1割くらいしか解けずコテンパンにやられると思う。でもそうなったほうがしっかりと勉強しなければと思うようになるはず。

微積分、線形代数の知識が不足している場合はそちら優先

僕が実践ワークブックを読み始めたときはろくに数学の知識もなかった。そんな状態で読み解こうとしても無理なので微積分、線形代数の基礎は固めておく。最低限、部分積分や行列の固有値の計算はできるくらいに。

問題を解く前に選択肢を見る

式を選択肢から選ぶだけでいい問題なのに、そのことに気づかず式を解いてしまい時間を無駄にした。

電卓は卓上型の1000円以上のものを使う

最初、試験でしか使わないだろうと思い300円の電卓を買った。だがこれがボタンは押しにくいしグラつくしで使いにくい。あらためて1300円のカシオの電卓を買い直した。スマホサイズの小型のやつではなくちょっと大きめのほうが使いすい。あとメモリ機能は多様するので慣れていたほうが良い。僕も以前は電卓にメモリ機能があるなんて知らなかった。

合格したら自分にご褒美をあげる

これがあるとモチベーションもきっとあがる。僕は受験の帰り道にサイゼリヤで豪遊した。